遂に来た。ネットでの予約開始から2ヶ月と少し。釣具を販売開始前に予約して購入するのは今回が初めてだ。前モデルから約5年あまりの月日を経て、僕同様待ち望んでいた人も多いだろう。
シマノのSW機としてはステラSWに次ぐ準フラッグシップモデルと言っても過言ではないツインパワーSW。
今回ようやく手元に届いた新型21ツインパワーSW 8000HGの開封、そしてその所感を写真多めでお届けしたいと思う。
外装
外箱はこんな感じ。
箱からしてすでに貫禄がある。そしてやはりデカイ。
開けてみる
箱を開けてまず出てくるのは取説、パーツリスト、分解図の冊子類
更に開けてみる
いよいよ本体が現れた。
内容物・同梱品
箱に入っているものを取り出したらこんな感じ。
付属品
付属品としてはスプールバンド・オイル・スプールワッシャ・ライン止めのシール・右巻き用ハンドル軸
リール本体
いよいよ本体。
格好良くない?
反対側から。
ハンドルを本体に付ける
いよいよハンドルを本体に付けてみよう。
なかなかの迫力。
各部を見ていこう
ハンドルノブはこんな感じ。
8000番はラウンド型のハンドルノブ。握ってみるとさすがにSW機の8000番クラスだけあって結構大きい。手の小さな僕が握ると手にジャストフィット。これはパワーファイト時にかなり力がかけられそう。
ハンドルフットの刻印
ハンドル付け根に「HG 5.6」の刻印。HGはハイギアの意。5.6って何だっけ?
※5.6はギア比だった。
スプールとローター。
スプールには大きく斜めにカットされた開口部があり、放熱効果が高そうだ。
ローターはアルミ製でなかなか肉厚でがっしりしている。X PROTECTの文字がプリントされている。
ラインローラー
今回初搭載となる、X PROTECTのラインローラー。ステラSWシリーズと同レベルの防水性能がラインローラーに搭載された。過酷なロックショアでの使用を考えると防水性能が上がるのは非常に頼もしい。ラインローラーはリールの中で消耗度が高いパーツでありシマノの説明によると耐久性は従来比10倍とのこと。これは嬉しい。
ベール。
ドラグノブ
SW機はドラグノブが小さいイメージだけどやはりスプール径に対して少し小さめだ。おそらくドラグ性能を高めるために内部パーツを増やした結果ドラグノブが小さくなっているものと思われる。
ファーストインプレッション
さてここまで、21ツインパワーSWの各部を紹介してきたので、ハンドルの巻き心地やドラグの滑り具合などの率直な感想を書いていく。
巻き心地
驚いたのは新品リールとは思えないほど滑らかな巻き心地だ。良くあるパターンとしてグリスが各部に馴染むまで巻きが重かったり、シュルシュル音がするといった初期症状があるが、僕が手にしたツインパワーには全然感じられない。これは当たりはずれもあるだろうし。もしかしたら組みあがった後エージング的な意味合いでリールを回転させる工程があったりするのかもしれない。だとしたらシマノ工場の人、回してくれてありがとう。
巻き出しの重さ
巻き出しはさすがに軽くは無い。これは金属ローターの重さによるものだが、反面一度ローターが回り始めるとその重さが今度は回転慣性となってハンドルの回転を助けてくれている感覚になる。インフィニティドライブの名の通り、巻き続けるのが非常に楽だ。
回転のブレ
シマノのXシップ機能によってベアリング2つで支持されるピニオンギアのおかげか回転のブレは全くと言っていいほど感じられない。魚が掛かって負荷が掛かるとまた変化があるのだろうか?
ハンドルのガタ
このクラスのリールはこんなものなのだろうか?普段使っているヴァンキッシュは割と酷使していることもあり、ハンドルの回転時に若干のガタを感じるが、ツインパワーSWではほとんどガタを感じない。とはいえ、ギアとギアの接触面は全面が均一に接触することは物理的に不可能であり、バックラッシュとしてそれが現れるもの。
つまり多少のガタつきがあるのがギアというものという認識だが、さすがシマノというかハイエンド機だからかこのレベルのギアを大量生産で作れるのは凄い。
ドラグノブの操作感
僕は持っていないが旧ツインパワーSWはドラグノブが硬くていまいち使いづらかったようだ。新型ツインパワーのドラグノブは硬くて回しづらいという感じは無く、適度な硬さで魚とのファイト中でもドラグの調整は問題なさそうだ。
ドラグ音
ステラSWやダイワのセルテートSW等と聞き比べたわけでは無いが、新型ツインパワーSWのドラグ音は「カリカリカリ」という感じ。これまでドラグ音などあまり気にしたことがなかったが、なるほど機種によって案外違うということにようやく気付いた。このカリカリカリというドラグ音が鳴り響くのを聞いてみたい。
ハンドル
ハンドルはサイズ感的にはジャストフィットで非常に手に馴染む。大型魚とのパワーファイトでもしっかりとハンドルを掴んで回すことができそうだ。
半プラ問題
一部ユーザーの間では半プラがどうとかダイワのモノコックボディが強いとか色々言われているようだ。
このいわば半プラ問題だけどリアルな話どうなのだろうか?実物を見て思ったのは、確かにプラスチック(樹脂製)のボディカバーが採用されている。ただ、実際はリールフットからボディ半面はアルミ製でこの部分がざっくりボディ全体の7割はあると思う。
要するに半プラというのは言い過ぎで言うなら3~4割プラ程度。正直この割合で魚とのファイトにどの程度影響があるのか全く分からない。率直な感想としては全く問題なさそう。
問題あるとすれば30KgオーバーのGTとか50Kgオーバーのマグロ系とか?いやそれでも多分獲れる人は余裕で獲れると思う。
総評
今回初のSW機しかも新型の21ツインパワーSW 8000HGを手にした感想だが、前もって分かっていたことではあるがやはり重かった。615gという重量はペットボトル500mlより重い。ロッドと合わせると重量1Kgに迫るタックルになるが、これは覚悟の上。むしろ剛性感にステ振りしていると考えると納得の重さ。
驚いたのは巻き心地が非常に滑らかだったこと。最上級機種のステラSWは触ったことがないので比較できないものの、現時点では不満は全く感じない。確かに巻き出しの重さは否めないが一度ローターが回りだしたあとの、安定性と巻きの滑らかさはダイビングペンシルなどトップウォータープラグとの相性が良さそうに感じた。
見た目に関してはステラSWほどの高級感は確かに無いが、シルバーと深みのあるブルー系のボディは、目立ちはしないが無骨な職人の道具といった感じで悪くない。
全体的にゴツイし、重いしだがこのクラスのリールを使う目的は大型魚であり、ゴツイのも重いのも想定内。むしろ重いだのゴツイだの文句を言う人は選ぶ道具が間違っている。
ここまで開封から各部の詳細、あとは巻き心地を含めたファーストインプレッションをお届けしたが、次はいよいよ実釣での使用感を試してみようと思う。できれば魚を掛けてファイトにおける新型ツインパワーSWのポテンシャルを引き出してみたいものだが。
次回に続く。
動画
動画撮りました。ただひたすら21ツインパワーSWを眺めるだけの動画です。